都市社会学を学ぶのにおすすめの本7冊(2026年)

現代社会において都市は私たちの生活に欠かせない存在です。 しかし、都市は人口密度が高く、多様な人々が集まるためにさまざまな課題を抱えています。

都市社会学はこうした都市の構造や機能、課題を多角的に分析・解明する学問です。 都市社会学を学ぶことで都市を理解し、都市の課題を解決するためのヒントを得ることができます。

ここでは都市社会学について書かれた複数の書籍を、 ランキング形式で1位から順番に紹介します。

都市社会学・入門〔改訂版〕 (有斐閣アルマ)

都市社会学・入門〔改訂版〕 (有斐閣アルマ)
松本 康(編集)
発売日: 2022-12-22

都市社会学の入門書として定番の書籍です。 2014年に初版が発行され、2022年に改訂版が出ました。

都市社会学の伝統的な学説や方法、最新の事例が紹介されています。 事例としては石川県の金沢、東京の原宿、中国の上海、インドのムンバイなどが 取り上げられています。

都市社会学の入門書としておすすめの一冊です。

目次

序章 都市社会学の問い
第1部 都市化とコミュニティの変容 都市はなにを生みだすか
 都市社会学の始まり
 アーバニズム
 都市生態学と居住分化
 地域コミュニティ
 都市と社会的ネットワーク

第2部 都市の危機と再編 なにが都市を生みだすか
 都市圏の発展段階
 情報化・グローバル化と都市再編
 インナーシティの危機と再生
 郊外のゆくえ

第3部 時間と空間のなかの都市 いかに都市とかかわるか
 都市の個性とまちづくり
 文化生産とまちづくり
 アジアの都市再編と市民
 ボランティアと市民社会
 都市の防災力と復興力

都市社会学講義 ――シカゴ学派からモビリティーズ・スタディーズへ (筑摩選書 0293)

都市社会学講義 ――シカゴ学派からモビリティーズ・スタディーズへ (筑摩選書 0293)
吉原 直樹(著)
発売日: 2024-12-18

都市社会学の古典的出発点であるシカゴ学派から、 現代のモビリティーズ・スタディーズまでの理論的発展を体系的にたどる一冊です。

シカゴという「衝撃都市」を舞台に生まれた都市社会学の誕生や、 その後の批判理論、空間論的・移動論的転回といった新たな潮流を、 事例とともに具体的に解説。 グローバル化やデジタル化が進む現代社会において、 都市という場が持つ意味や、都市社会学が果たすべき役割を問い直します。

目次

第1部 はじまりとしての都市社会学―シカゴ学派社会学とシカゴ的世界
 社会科学から社会学へ―制度化のプロセス
 生成期から展開期のシカゴ学派都市社会学
 パワーからワースへ―本流か傍流か?

第2部 もうひとつの都市社会学の展開に向けて―さまざまな批判理論と空間論の台頭
 拡散する批判理論と「都市イデオロギー」論
 「没空間の時間論的偏向」再論
 シカゴ・モノグラフを読む
 ディープジャカルタを訪ねて―カンポンに関する一覚書

第3部 もうひとつの都市社会学の領野/基層―空間論的転回、移動論的転回、そしてモビリティーズ・スタディーズ
 起点としての空間論的ルネサンス
 空間論的転回から移動論的転回へ1―空間/場所と時間の再審 ほか

第4部 トランジション・シティの方位と実相
 都市社会学の脱構築のために
 トランジション・シティの「いま・ここ」と「これから」1―その諸相 ほか

関係人口の社会学―人口減少時代の地域再生

関係人口の社会学―人口減少時代の地域再生
田中輝美(著)
発売日: 2021-04-25

「関係人口」とは「定住人口」でもなく、「交流人口(観光者)」でもない、 特定の地域に様々なかたちで関わる人々を指す言葉です。

この関係人口という視点から、 これからの人口減少時代における地域再生の在り方と、 再生に向けた具体的な方法論を提示する書籍です。

地域行政や地域づくりに関わる人に有意義な一冊です。

目次

かつてない“危機”の中で
第1部 関係人口とは何か
 誕生前史―地域社会の変容
 関係人口の概念規定
 関係人口の分析視角

第2部 関係人口の群像
 廃校寸前から魅力ある高校へ―島根県海士町
 シャッター通り商店街が蘇った―島根県江津市
 消滅する集落で安心して暮らす―香川県まんのう町

第3部 関係人口と地域再生
 地域再生主体の形成
 関係人口が果たす役割
 目指すべきものは何か

補論 新型コロナウイルスと関係人口

地域・都市の社会学: 実感から問いを深める理論と方法 (有斐閣ストゥディア)

地域・都市の社会学: 実感から問いを深める理論と方法 (有斐閣ストゥディア)
平井 太郎(著), 松尾 浩一郎(著), 山口 恵子(著)
発売日: 2022-04-21

半径1キロから社会学しよう!」と帯に書かれているように、 身近な地域の生活に触れ、都市の問題を知ることから、 社会学の世界へ入っていくための新しいテキストです。 身近な問題を普遍的な問題へと昇華する方法が書かれています。

都市問題や地域住民の課題、人と人の距離、排除や貧困など、 具体的な社会問題について実際に手や足を動かして考えながら、 社会学的センスを磨いていく方法が紹介されています。

地域社会学や都市社会学の入門者におすすめの一冊です。

目次

第1部 地域を実感する
 地域・都市はどう実感されるか―「距離」への敏感さ
 地域・都市はどのように形づくられたか―人びとの空間的共存を捉える視点
 空間と場所の問い方―マクロ・ミクロからのアプローチ
 
第2部 地域に集まる力/世界に広がる力
 グローバル化とどのように向き合うのか―再生産領域への労働移動から考える
 ナショナルなものと地域・都市―“中心”と“周辺”、そしてその先にあるもの
 ローカル・トラックとは何か―進学・就職をめぐる理想と現実

第3部 地域・都市で生まれる社会
 都市の公共空間―人の集まる場所のしくみ
 都市の不平等はどのように進行しているのか―異質性と排除が結びつくとき
 コミュニティはどこから来てどこへ行くにか―語りのダイナミズム

第4部 地域・都市のこれから
 「限界集落」の「限界」はどう乗り越えられるか―ここに生きる意味の承認
 地域・都市はどこへ行くべきか―地域への問いと社会学的想像力
 創造と継承―都市の未来、都市の歴史

都市社会学を学ぶ人のために

都市社会学を学ぶ人のために
玉野 和志(編集)
発売日: 2020-02-19

都市社会学の源流から現代的課題まで、 またシカゴ学派から新都市社会学以後の潮流までを、 統一的な観点から理解するための都市社会学入門書です。

全14章で構成されていて、 玉野和志氏を中心に、複数の著者が章ごとに担当する形になっています。

都市に関連する建築学、地理学、都市工学、都市政策学などに 興味のある方にも有意義な一冊です。

目次

1 都市の歴史をふりかえる
2 都市をいかにとらえるか
3 都市空間を探究する
4 都市コミュニティを探究する
5 都市の政治と権力
6 グローバリゼーションと都市
7 マイノリティと都市

都市・地域 (岩波講座 社会学 第2巻)

都市・地域 (岩波講座 社会学 第2巻)
北田 暁大(編集), 岸 政彦(編集), 筒井 淳也(編集), 丸山 里美(編集), 山根 純佳(編集)
発売日: 2024-02-16

現代の都市・地域社会学の最新アプローチを紹介する一冊です。 東京下町のジェントリフィケーションから大阪のセグリゲーション、 京都の部落問題まで、具体的なフィールド研究を通じて、 格差、貧困、コミュニティの変容など、 現代社会の空間的再編を多角的に考察します。

量的・質的研究を組み合わせ、各地域の多様性や特徴、課題を浮き彫りにし、 21世紀の都市・地域社会学の新たな展望を示しています。

目次

東京下町の移り変わりとジェントリフィケーション―東京都墨田区・向島の事例から
歓楽街のトライアド―都市、店舗、ストリートにまたがる交渉の構造
都市近郊における地域社会のつながりのあり方
名古屋都市圏における「見えない格差」
大阪の都市セグリゲーションと近隣効果―社会解体と集合的効力の検討
あいりん地区の形成と再編―貧困の集中は地域に何をもたらすのか
京都と部落問題―都市政策とコミュニティ
カギ括弧を取り外した辺野古から見えてくるもの
ローカルキャリアの社会学
日本におけるコミュニティ問題の総合的検討―コミュニティ喪失論・存続論・変容論の対比から
ジェントリフィケーションと「その場にいながらの排除」―ニューヨーク・ブルックリンにおける空間変容と地元で「部外者」になる経験

「共生」の都市社会学 下北沢再開発問題のなかで考える

「共生」の都市社会学 下北沢再開発問題のなかで考える
三浦 倫平(著)
発売日: 2016-04-02

都市における「共に生きる」ことの意味を、 社会学の視点から根源的に問う一冊です。

再開発で姿を変えつつある東京・下北沢を舞台に、 住民、商業者、来街者など多様な立場の人々へのインタビューを通して、 理想と現実の「共生」が交錯する街の姿を描きます。

ヘンリ・ルフェーヴルの「都市への権利」を参照しつつ、 「誰が都市をつくるのか」という問いを実証的に掘り下げた本書は、 都市計画やまちづくりに関心を持つ人に新たな視座を与えます。

目次

序章 「共生」をどのように捉えるべきか?
第1章 都市空間の危機的状況/都市社会学の危機的状況
第2章 都市社会学の方法史的検討
第3章 「共生」をめぐる「迷宮の盛り場‐下北沢」の紛争
第4章 「共生」の構想の社会的世界
第5章 「共生」を実現するための構想・運動の可能性と課題
第6章 研究対象者の視点から見た分析の課題
第7章 結論―本書の意義と課題


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