資本主義を学ぶためのおすすめ本8選(2025年)
資本主義は、私たちの暮らしのすみずみにまで浸透している仕組みです。 便利さや豊かさをもたらす一方で、不平等や環境問題といった影を落とす現実もあります。 お金の流れ、人の欲望、国家の戦略――それらすべてを貫く原理を見つめ直すと、 社会の見え方が変わります。
ここでは資本主義に関するおすすめの書籍を、 ランキング形式で1位から順番に紹介します。
人新世の「資本論」 (集英社新書)
資本主義がもたらす豊かさの裏側で進行する 環境破壊や格差拡大という現実に真正面から向き合った書籍です。
経済活動が地球の限界を超え、気候変動が人類の生存を脅かしている現代 ──それが「人新世」と呼ばれる時代。 著者はこの危機の根本原因を資本主義の無限成長という仕組みに見いだし、 それを超えるための新しい社会のかたちを提案しています。
気候危機や貧困、格差といった問題を乗り越え、 持続可能な未来を切り開くためのヒントを与えてくれる一冊です。
(読者の口コミより)・資本主義の限界と、これからの経済や社会の在り方を明確に提示しているところがとても良かった。久しぶりにページをめくる手が止まらず夢中になって読めた。全ての人に勧めたい本。
目次
はじめに―SDGsは「大衆のアヘン」である! 第1章 気候変動と帝国的生活様式 第2章 気候ケインズ主義の限界 第3章 資本主義システムでの脱成長を撃つ 第4章 「人新世」のマルクス 第5章 加速主義という現実逃避 第6章 欠乏の資本主義、潤沢なコミュニズム 第7章 脱成長コミュニズムが世界を救う 第8章 気候正義という「梃子」 おわりに―歴史を終わらせないために
プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 (岩波文庫 白 209-3)
社会学者マックス・ヴェーバー氏の名著『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』は、 近代資本主義の成立を宗教倫理の観点から解き明かす研究書です。
本書では、一見対立するように見える「禁欲的プロテスタンティズム」と「利益追求の精神」との間に、深い因果関係があったことを論理的に示します。 カルヴァン派の予定説や労働観を背景に、 禁欲的な勤労が社会の秩序と経済発展を支えたという歴史の逆説を鮮やかに描き出します。 大塚久雄氏による改訳と解説により、ヴェーバー研究の入門書としてもおすすめの一冊です。
(読者の口コミより)・わかりにくいからこそ、読む価値がある。
・本文の7割くらいは脚注なので、趣旨だけ理解したいなら本の分厚さで敬遠する必要はないと思う。
目次
第1章 問題 信仰と社会層分化 資本主義の「精神」 ルッターの天職観念―研究の課題 第2章 禁欲的プロテスタンティズムの天職倫理 世俗内的禁欲の宗教的諸基盤 禁欲と資本主義精神
資本主義は私たちをなぜ幸せにしないのか (ちくま新書 1740)
政治哲学者ナンシー・フレイザー氏が、 資本主義の根幹的な矛盾を鋭く解剖する書籍です。 経済成長が続いても私たちが豊かになれないのは、 資本主義が人間の労働、自然環境、ケア労働などの 「生存基盤」を食い物にして成立しているからだと指摘します。
重商主義からグローバル金融資本主義までの四段階を辿りながら、 搾取や環境破壊、民主主義の形骸化といった問題を体系的に分析します。 部分的な改革や「グリーン資本主義」では解決できない構造的危機を明らかにし、 資本主義の終焉後にどのような社会を築けるのかを問う一冊です。
(読者の口コミより)・「社会主義」とは何かと(一般的な定義でも)説明できない人は多いと思うが、 「資本主義」を支持しつつ、それが何かを説明できない人はもっと多いと思う。 そういう方々にも、(たとえ批判的であれ)読んで欲しい一冊。
目次
序章 共喰い資本主義―私たちはもう終わりなのか 第1章 雑食―なぜ資本主義の概念を拡張する必要があるのか 第2章 飽くなき食欲―なぜ資本主義は構造的に人種差別的なのか 第3章 ケアの大喰らい―なぜ社会的再生産は資本主義の危機の主戦場なのか 第4章 呑み込まれた自然―生態学的政治はなぜ環境を超えて反資本主義なのか 第5章 民主主義を解体する―なぜ資本主義は政治的危機が大好物なのか 第6章 思考の糧―二一世紀の社会主義はどんな意味を持つべきか 終章 マクロファージ―共喰い資本主義の乱痴気騒ぎ
資本主義が人類最高の発明である:グローバル化と自由市場が私たちを救う理由
経済思想家ヨハン・ノルベリ氏が、 豊富なデータと分析によって「資本主義こそ人類最高の発明である」と論じた世界的話題作です。
格差や搾取の象徴とされる資本主義が、実は貧困の削減や環境の改善、 人々の協力や利他の精神を促す原動力であることを、 数値と実例で示しています。
すべての億万長者の資産を分配しても貧困は解決しない、 解決の鍵は自由市場と経済成長にある――その主張は挑発的でありながら、論理的です。 第4章ではトップ1%の意義を、第8章では地球温暖化との関係を掘り下げ、 現代社会が直面する課題に新たな視点を与えます。
(読者の口コミより)・鵜呑みにすべきではないが、面白い内容
目次
第1章 資本主義は世界を救う 第2章 経済成長はなぜ必要? 第3章 自由市場は労働者を救う 第4章 トップ1%はなぜ必要? 第5章 独占企業は悪なのか 第6章 産業政策がダメなわけ 第7章 中国経済、虚像と実態 第8章 地球温暖化と資本主義 第9章 人生の意味と資本主義
「公益」資本主義 英米型資本主義の終焉 (文春新書 1104)
ベンチャー投資家の原丈人氏が提唱する「公益資本主義」は、 英米型の株主至上主義に代わる新しい経済モデルを提示します。
株主優先や四半期決算など、短期利益を追う米国流改革が企業の力を弱めていると指摘し、 「会社は社会の公器である」という理念のもと、 中長期的な投資と技術開発を重視する経営の在り方を説いています。 自身が米国シリコンバレーで培った実践経験を背景に、 資本主義の根幹を見直し、日本型経営が世界をリードする可能性を示す一冊です。
(読者の口コミより)・企業のあり方を問う内容だが、会社人としての働き方も問われる1冊。 ポスト資本主義を考えるうえでの定本になる。
目次
1章 グローバリズムの終焉 2章 日本と世界を滅ぼす株主資本主義 3章 アメリカでアメリカモデルの限界を知る 4章 公益資本主義とは? 5章 公益資本主義の12のポイント 6章 公益資本主義・実践編―モノづくり最適国家の実現 7章 対談 GDP600兆円実現のために
スティグリッツ 資本主義と自由
ノーベル経済学賞受賞者ジョセフ・E・スティグリッツ氏が、 格差拡大と民主主義の危機に警鐘を鳴らす書籍です。
いまの「自由市場資本主義」は、強者の自由ばかりを守り、 弱者の自由を奪っていると批判します。 本書では、市場の「見えざる手」への過信を退け、 政府による公正な再分配システムこそが真の自由を支えると論じます。
アダム・スミスの「公正な観察者」やロールズの「無知のベール」といった思想を手がかりに、 経済と正義を両立させる「進歩的資本主義」の可能性を提示。 現代資本主義への力強い提言です。
(読者の口コミより)・需要と供給の法則という神の見えざる手に任せて、政府は何もするな、という右派の経済学者を痛烈に批判する本です。自由と不自由のトレードオフの視点から見れば、市場には効率性などは存在せず、そのままでは必ず失敗し、ただひたすら労働者や国民からの搾取を広げながら格差を拡大させるだけだと言います。
目次
第1章 序──自由の危機 第2章 経済学者は自由をどう考えているのか? 第1部 解放と自由──基本原則 第3章 ある人の自由はほかの人の不自由 第4章 強制により自由に──公共財とフリーライダー問題 第5章 一般の契約と社会契約と自由 第6章 自由と競争経済と社会正義 第7章 搾取する自由 第2部 自由と信念と選好、および公正な社会の創設 第8章 社会的強制と社会的結束 第9章 計画的に形づくられる個人や信念 第10章 寛容と社会的連帯と自由 第3部 公正で自由な優れた社会を推進するのはどのような経済なのか? 第11章 新自由主義的資本主義はなぜ失敗したのか? 第12章 自由と主権と国家間の強制 第13章 進歩的資本主義と社会民主主義と学習する社会 第14章 民主主義と自由と社会正義と公正な社会
22世紀の資本主義 やがてお金は絶滅する (文春新書 1474)
資本主義の未来をめぐる大胆な思索を展開する一冊です。 株価や仮想通貨が高騰し、生成AIが急速に拡大する現代を「資本主義の暴走期」と捉えたうえで、 著者はその行き着く先を予見します。
すべてがデータ化され、人の身体や感情までが商品として取引される時代。 その極限の果てに現れるのは、「お金」という概念そのものが不要になる社会だといいます。 貨幣が消え、価値がデータとして流通する「測れない経済」。 それは破滅か、それとも新たな希望か。 既存の経済原理を覆し、読み手の常識を心地よく打ち壊す書籍です。
(読者の口コミより)・お金の起源に立ち戻れば、著者が述べるようにやがて現在の物質的な「お金」は消滅することに納得感がある
・成田さんの本は、これでもかというぐらい本質をえぐりまくる。
目次
第0章 泥だんごの思い出 第1章 暴走 すべてが資本主義になる 資本主義とは何か 寓話1:私は詐欺師 ほか 第2章 抗争 市場が国家を食い尽くす お金とは何か お金は意外に若く狭い ほか 第3章 構想 やがてお金は消えて無くなる やっぱり猫が好き 「お金は諸悪の根源である」 ほか
富める者だけの資本主義に反旗を翻す
富裕層だけが恩恵を受けるアメリカ型資本主義に異を唱え、 日本発の新しい経済思想を提唱しています。
シリコンバレーでの成功と世界各地での経営経験を通じて、 格差拡大が生む貧困や不平等の実態を見つめ、 「誰も見捨てない経済」を築くための道を描いた一冊です。
アジアやアフリカでの社会問題、若者への教育、 リーダーシップのあり方など多面的に語りながら、 自分の頭で考え行動することの重要性を訴えます。 既存のルールに従うだけでなく、 新しい秩序をつくり出す力をもつ若者たちへの力強いメッセージが込められています。
(読者の口コミより)・公益資本主義という言葉を初めて知りました。 私が今まで会社で働いていて疑問に感じていた事がすべて株主資本主義に起因するものだったと気づきました
目次
第1章 大切なのは「自分の頭で考える」こと。 他人の決めたルールがおかしいと思ったら、どうする? 第2章 自分の目で見よう、肌で感じよう。 机の上の勉強だけじゃわからないことだらけ! 第3章 解決策は、必ずどこかにある。 困ったときこそ「自分の頭で考える」が試される 第4章 なぜ学ぶ?人生を切り拓くために。 大学とは夢を実現するための武器を得るところ 第5章 人は「信頼」されると「奮起」します。 リーダーになったら、まずは仲間に信頼を与えよう 第6章 大好きなものがあることの、つよさ。 「好き」こそが将来の可能性を広げてくれる 第7章 夢のまた夢?それ、実現できるかもよ? イメージは「見えない階段を1段ずつ」登ること 第8章 ルールやシステムは、もっとよくできる。 いい子で従ってるだけじゃ何も変わらない 第9章 尊敬する人を見つけよう。 その人から学ぼう、その人の話を聞こう
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