林業について知るためのおすすめ本8選(2025年)
林業と聞くと、山奥で行われる専門的な仕事を思い浮かべるかもしれません。 しかし実際は私たちの暮らしの随所に関わる身近な産業であり、 地域の未来を支える重要な営みです。 近年は持続可能性や循環型社会の観点から、 林業を学び直す動きが広がっています。
ここでは林業に関するおすすめの書籍を、 ランキング形式で1位から順番に紹介します。
森林ビジネス
日本の森林ビジネスを多角的に解説した書籍です。 国土の約7割を占める森林を背景に、植林から伐採、加工、流通、建築まで、 木材が形を変えて社会に届くまでの流れを紹介しています。
老舗林業地・吉野の林家の営みや、IT化を取り入れた現場の変化、 地域再生に向けた取り組みなど、具体的な事例も豊富。
外資による森林買収の懸念や森林環境税の仕組み、 都市で木造建築が増えている理由など、今知りたいテーマも網羅しています。 森林ビジネスに関心をもつ人におすすめの一冊です。
(読者の口コミより)・「森林ビジネス」と聞くと堅いイメージがありましたが、本書は驚くほど読みやすく、発見の連続でした。
・この1冊で、森林に関するとっ散らかった知識を脳内整理することができました
目次
第1章 世界から学ぶ森林ビジネスの世界 第2章 日本の人工林から学ぶ多様な森林の世界 第3章 植林・育林・間伐・伐採から学ぶ生産の世界 第4章 木材市場から学ぶ流通の世界 第5章 日本の建物から学ぶ木造建築の世界 第6章 職人から学ぶ木製プロダクトの世界 第7章 森ではたらく人々から学ぶ現場の世界 第8章 「まちづくり」から学ぶトータル林業の世界 第9章 これからの森林ビジネスの世界
令和7年版 森林・林業白書
林野庁がまとめた令和7年版の「森林・林業白書」で、 森林や林業に関わる全ての人に役立つ資料です。
特集では、生物多様性を軸に、国内森林の現状やこれまでの保全策、 そして多様性を高めながら木材を活かす林業経営の方向性を具体的に解説しています。 木材自給率が43%まで回復した要因や、中高層建築での木造化の広がり、 改質リグニンといった新素材の可能性など、注目の話題も収録。
能登半島地震による山地災害への対応、国有林の管理、 木材産業の動向なども網羅し、現場の課題と展望を幅広く示す一冊です。
目次
第1部 森林及び林業の動向 特集「生物多様性を高める林業経営と木材利用」 トピックス 第Ⅰ章 森林の整備・保全 第Ⅱ章 林業と山村(中山間地域) 第Ⅲ章 木材需給・利用と木材産業 第Ⅳ章 国有林野の管理経営 第Ⅴ章 東日本大震災からの復興 第2部 令和6年度 森林及び林業施策 概説 Ⅰ 森林の有する多面的機能の発揮に関する施策 Ⅱ 林業の持続的かつ健全な発展に関する施策 Ⅲ 林産物の供給及び利用の確保に関する施策 Ⅳ 国有林野の管理及び経営に関する施策 Ⅴ その他横断的に推進すべき施策 Ⅵ 団体に関する施策
最新版 図解 知識ゼロからの林業入門
林業の基礎から最新動向までを図解でまとめた書籍です。
ウッドショックによる木材価格の高騰や円安、 ロシアの輸出規制といった背景から国産材の重要性が高まる中、 日本の森林が抱える可能性と課題を最新データで解説しています。
森林の仕組み、植林から収穫までの林業の流れ、木材加工や流通のしくみ、 行政による担い手支援策など、幅広いテーマを網羅。 森林から得られる木材以外の恵みや、 今後の林業が目指すべき方向性も描かれており、 初心者でも全体像をつかめる一冊です。
目次
第1章 いま林業が注目されるわけ 第2章 森林と樹木を知る 第3章 林業を知る―樹木を育てる・収穫する 第4章 林産業を知る―木材を加工・消費する 第5章 日本林業と林政の歩み 第6章 木材だけではない森林からの恵み 第7章 これからの林業の可能性と課題を知る
自伐型林業 小さな林業の今とこれから
地域に根ざした「小さな林業」の意義と未来を伝える書籍です。
自伐型林業とは、大規模伐採ではなく自分の管理できる範囲で木を育て、伐り、 山の力を生かしながら持続的に利用する方法のこと。 戦後の大量伐採による森林荒廃や林業の衰退を背景に、 なぜ今この方法が注目されるのかを解説しています。
自治体の挑戦事例、若手林業者の声、欧州調査の報告など、 多面的な視点が詰まっているのも特徴。 誕生から10年の歩みを振り返り、 地域再生につながる「次の10年」を見通す一冊です。
目次
第1章 なぜ、日本に自伐型林業が必要とされているのか 第2章 小さな林業の大きな可能性 自伐協代表理事・中嶋健造講演録 第3章 「地方消滅」から「地方再生」へ 自伐型林業に挑戦する自治体の歩み 第4章 若者たちはなぜ、自伐型林業を目指すのか 若手林業者座談会 第5章 ヨーロッパ林業の光と影 オーストリア・ドイツ調査報告 第6章 自伐型林業の今とこれから 泉英二愛媛大名誉教授の提言
都市林業で街づくり: 公園・街路樹・学校林を活かす、循環させる
都市に存在する街路樹や公園木、庭木を「資源」と捉え直し、 街づくりに生かす“都市林業”の可能性を示した書籍です。
これまで都市の木は景観中心の扱いで、 伐採後は腐れや形状の問題から多くが廃棄されてきました。 こうした木々を再利用する仕組みづくりや、 市民と行政を巻き込んだ循環の仕組みを実践的に紹介しています。
南町田グランベリーパークや「さくら花見堂」などの具体的事例を通じ、 都市林業が抱える課題と事業化へのヒントを提示。 都市の緑を活かし、暮らしを豊かにする新しい街づくりの視点が得られる内容です。
(読者の口コミより)・街路樹等、普通は木材として活かすには難しい木々の活用のノウハウはもちろんのこと、筆者が今まで積み重ねてきた物語の数々が、グルーブ感を持って見事に描かれていて一気に読んでしまいました。
目次
序 いまここにあるものでつくる 第一章 街の木はなぜ木材にされなかったのか 木材にされてこなかった街の木々 腐れが多い ほか 第二章 都市林業は成立できるか? グリーンウォッシュで成立している? 街の木を活かす事業は玉石混淆 ほか 第三章 緑でいっぱいの素敵な街、の舞台裏 都市林業を成立させる手がかりは、街の課題のなかにある 維持管理という深刻な課題 ほか 第四章 事例紹介 都市林業で変わる街づくり さくら花見堂の物語 南町田グランベリーパークの物語 ほか 第五章 三つの提案 困難さをもたらす前提条件を大きく変える 提案1 「都市林業」を街路樹で ほか
小さい林業で稼ぐコツ: 軽トラとチェンソーがあればできる
「小さい林業」で収入を生み出すための入門書です。
軽トラとチェンソーがあれば始められ、 細い木でも薪やバイオマス燃料として売れるなど、 山は工夫次第で“お金になる”ことを紹介しています。
チェンソーの選び方・安全な扱い方、境界確認や間伐の基本といった基礎知識に加え、 滑車やアルミブリッジを使った人力搬出のコツも解説。 実際に副業やUターンで林業に取り組む人の声も載せられ、 個人で山を管理したい人、相続で山林を持つ人にも役立つ内容です。
(読者の口コミより)・相続により山林を取得する人もいれば、ここ最近ビジネスチャンスを感じあえて山林取得するという話を聞くようになり興味をもち読んだ。 Uターン、専業、副業で実際に商売をしている人の声もあり参考になった。
目次
1 自分で切れば意外とおカネになる編 薪で売る 木の駅で売る ほか 2 チェンソーを使いこなす編 装備とチェンソーの選び方―便利だけど、危険な道具 エンジン始動のコツ―その前に点検と調整を ほか 3 小さい林業で稼ぐための基礎知識編 山の境界を知りたい 間伐の基本を知りたい ほか 4 木を運ぶ道具・機械編 林業の大きな機械 小さな機械 アルミブリッジと滑車があれば人力でここまで積める ほか
ナタ1本ではじめる「里山林業」: 山採り枝物で稼ぐコツ
ナタ1本で始められる「里山林業」の魅力と実践をまとめた書籍です。
里山に自然に生える枝物や草木を“お宝植物”として収穫し、 花材として販売するという新しい稼ぎ方を、 年間の出荷カレンダーや売れる樹種リストとともに紹介しています。
枝の切り方、搬出や水揚げ、ラッピングなどの作業手順、 さらには花き市場やネット直販、生け花教室など多様な販売ルートも解説。 手入れが負担だった里山管理を「収穫の喜び」に変える方法が詰まっており、 副収入を得たい人や地域の森を元気にしたい人におすすめの一冊です。
(読者の口コミより)・厄介な草木を"花材"として活かすという視点が新鮮で面白かった。里山の図鑑としても楽しめる。
目次
プロローグ ナタ一本で稼ぐ里山林業の魅力 第1章 里山林業の一年―枝物出荷カレンダー 第2章 こんな枝や植物が売れる 長い期間出荷できる樹種 商品になる季節が限られる樹種 商品になる草木 つるや枯れ物をおカネに換える 第3章 里山林業の実際 山に入る前に 道具と使い方 ナタで枝を切る 山から搬出する 水揚げする 枝を分解する 結束する ラッピングする 出荷する 第4章 いろいろあるぞ 天然枝物の売り方 花き市場で売る インターネット花市場で売る 農産物直売所で売る ネット産直で売る 地元の生け花教室に売る 第5章 枝物採取のための山づくり 里山林業の適地 抜き伐りで高齢里山林を改良 樹木管理の基木技術 里山林業グループに使える交付金
絶望の林業
森林ジャーナリストとして30年にわたり取材を続けてきた著者が、 日本の林業が抱える深刻な問題に切り込んだ書籍です。
若者の参入で「成長産業」と語られる一方、現場では補助金依存、 低賃金、盗伐の横行、事故率の高さなど、衰退産業の実態が広がっています。 さらに、非科学的な施策や形骸化した間伐、木材取引の不透明さ、 教育機関の機能不全といった構造的な課題も具体例とともに描写。
後半では吉野林業の歴史や恒続林の考え方など、 希望を見いだす取り組みも紹介します。 林業の「不都合な真実」と未来の可能性を知りたい読者におすすめの一冊です。
(読者の口コミより)・今の林業業界の課題を出しまくり。 関係者は耳が痛いかも。
・日本の林業の「問題」点がよくわかる。これを読んで本気で日本の林業立て直しを考えたい。
目次
はじめに─ 騙されるメディアと熱い思い 第1部 絶望の林業 第2部 失望の林業 Ⅰ.諦観の林業現場 Ⅱ.残念な林業家たち Ⅲ.滑稽な木材商品群 Ⅳ.痛恨の林業政策 第3部 希望の林業
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